hoinori

0で割ることは0を掛けることであることを述べています。

0で割ったら無限大?

数学は厳密な学問ですが,なぜか0除算に関してはぐたぐたですね。

0除算不可能説の誤りを 0除算不可能説の解説1-5 で述べました。この他にも0除算に関して,おかしなことがあります。よくあるのは,0で割ったら無限大 です。これを言う人には,0で割ったときの値はあるのか,あるとしたらどんな値なのか説明して欲しいですね。無限大は数ではないのに,こんな表現がまかり通ってきたこと自体が奇妙です。

以下は0に近い値で割るときの値には上限がないことを述べていて正しい表現です。 $$ \lim_{x \to +0} \frac{1}{x}=\infty $$ しかし,次式は誤り。この場合は両辺の記号の定義を述べる必要があります。 $$ \frac{1}{0}=\infty $$

0に近い値で割るときの結果は上限がなく,いくらでも大きい値を取ることができることは解ります。しかし,問題は0に近い値で割ったときの値ではなく,0そのもので割ったときの値です。0での連続性も不明なので,0に近い値での演算結果は0で割ったときの結果を考える際になんのヒントにもなりません