仁平氏の例

1/0=0という0除算の導入ができたので,今後は0除算導入によりどんなメリットがあるのかも述べて行きたいと思います。初回は仁平政一氏の次の定理です。

定理. 三角形$ABC$の辺$BC$の中点を$D$とすれば,次式が成り立つ。 \begin{equation} \tan\angle ADB=\frac{2bc\sin A}{b^{2}-c^{2}} \end{equation} f:id:hoinori:20210414085802j:plain $b\ne c$ のときの定理の証明は,正弦定理等を用いてできるので略します。問題は $b=c$ のときで,従来ならこの場合の考察は不可能でした。しかし,0除算を導入すると左辺は $\tan(\pi/2)=0$ となります。これは非常に重要な式です。右辺も分母が0で0になり,このときにも定理が成り立つことになります。

$b=c$ のときにも図はあるのに,考察をしないというのは変ですね。これが現在の0除算を導入しない場合の数学ということになります。