今回の例と図は0除算理論の創始者である齋藤氏によるのものです。 内容は,古代ギリシャの発明家で数学者でもあったアレクサンドリアのクテシビオスの考察です。管の中を流れる液体を考えます。ある断面についてその断面積を $S$, 液体の速度を $v$ とすると,$Sv$ は一定となります。すなわち,$C$ を定数として次式を得ます。 $$ v=\frac{C}{S} $$ ここで,断面積 $S$ が減少すると,$v$ は増加します。そこで,$S=0$ ,すなわち断面積が0のときを考えます。すると,$v=\dfrac{C}{0}=0$ となります。
この例は $\frac{C}{0}=\infty$ という意味不明な表現を改めるのに有効ですね。