hoinori

0で割ることは0を掛けることであることを述べています。

0除算理解を阻むものー無限大の概念と連続性

0除算理解を阻むものがいくつかありますが、ここでは先ず無限大の概念から考えます。

0で割った結果は無限大という主張をする人がいますが、演算結果は数であるべきで、この主張はおかしいです。無限大とは数でなく、状態を表すことをまずは確認しておきます。 例えば、以下の関数を考えます。 $$ f(x)=\frac{1}{x}. $$ $x$の絶対値が 0に近い値の時は$f(x)$の絶対値が$x$の値に応じていくらでも大きい値をとりますが、これが、無限大という言葉が登場する根拠になります。しかし、$x=0$のときの値を一切述べていません。あくまでも$x$が0と異なる0に近い値のときの話です。つまり繰り返しになりますが、$x=0$のときの$f$の値については何も述べていません。$f$が$x=0$で連続なら、$x$が0に近い値のときの$f$の値を考えるのは意味がありますが、そもそも$f$の$x=0$における連続性は不明です。以上より、$f$の値を$x=0$の近傍の値から考えることは$f$の$x=0$における連続性を証明しない限り無意味です。しかしながら、0除算を否定する論者で$x=0$における連続性を暗黙の前提にして話をする人が非常に多いのが残念です。