hoinori

0で割ることは0を掛けることであることを述べています。

0除算算法の適用例

本ブログでは、齋藤三郎氏の提唱する0除算定義任意の数を0で割ると0を検証しています。

斎藤尚徳氏が本日(2022年1月8日) ResearchGateNet に挙げた例をここで取り上げます。$a\ne0$ として,次の恒等式を考えます。 $$ \frac{1}{x-a}+\frac{1}{x+a}=\frac{2x}{x^{2}-a^{2}}.\tag{1} $$ 現代数学には0除算や0除算算法がないので,$x=\pm a$ の場合は考察できません。しかし,0除算や0除算算法を導入した次世代の数学では,これらの場合も扱えるようになります。

$x=a$ の場合。

左辺は $\frac{1}{0}+\frac{1}{2a}=\frac{1}{2a}$ となります。右辺は関数の内部で0除算が起こっているので,0除算算法を用いて値を得ます。先ず右辺を $x=a$ の周辺でローラン展開して次を得ます。 $$ \frac{2x}{x^{2}-a^{2}}=\frac{1}{x-a}+\frac{1}{2a}-\frac{(x-a)}{4a^{2}}+\frac{(x-a)^{2}}{8a^{3}}-\frac{(x-a)^{3}}{16a^{4}}+\cdots . $$ これより,$x=a$ のときの右辺の値は$\frac{1}{2a}$であることがわかります。すなわち,この場合にも (1) が成り立ちます。

$x=-a$ の場合。

左辺は $-\frac{1}{2a}$ ですね。右辺は $$ \frac{2x}{x^{2}-a^{2}}=\frac{1}{x+a}-\frac{1}{2a}-\frac{(x+a)}{4a^{2}}-\frac{(x+a)^{2}}{8a^{3}}-\frac{(x+a)^{3}}{16a^{4}}-\cdots . $$ より,やはり $-\frac{1}{2a}$となり,この場合にも (1) が成り立ちます。

0除算算法については,以前に述べました。 hoinori.hatenablog.com