hoinori

0で割ることは0を掛けることであることを述べています。

ChatGPT

ChatGPTに0除算の結果を聞いてみました。1/0はいくつか?、という問いに対して以下の回答を得ました。

ChatGPT 13:37 cannot divide any number by zero. It is an undefined operation in mathematics. If we try to divide 1 by 0, the result is undefined or infinite.

いやー、旧態依然たる回答ですね。要するにChatGPTが使用しているデータベースには最新の知見が反映されておらず、そんなデータベースから結論を得ているだけで、論理的な推論をしているわけではないということなんですね。これに比べると、きちんと $1/0=0$ を出力する Isabelle/HOL は素晴らしいです。

0除算理解を阻むものー無限大の概念と連続性

0除算理解を阻むものがいくつかありますが、ここでは先ず無限大の概念から考えます。

0で割った結果は無限大という主張をする人がいますが、演算結果は数であるべきで、この主張はおかしいです。無限大とは数でなく、状態を表すことをまずは確認しておきます。 例えば、以下の関数を考えます。 $$ f(x)=\frac{1}{x}. $$ $x$の絶対値が 0に近い値の時は$f(x)$の絶対値が$x$の値に応じていくらでも大きい値をとりますが、これが、無限大という言葉が登場する根拠になります。しかし、$x=0$のときの値を一切述べていません。あくまでも$x$が0と異なる0に近い値のときの話です。つまり繰り返しになりますが、$x=0$のときの$f$の値については何も述べていません。$f$が$x=0$で連続なら、$x$が0に近い値のときの$f$の値を考えるのは意味がありますが、そもそも$f$の$x=0$における連続性は不明です。以上より、$f$の値を$x=0$の近傍の値から考えることは$f$の$x=0$における連続性を証明しない限り無意味です。しかしながら、0除算を否定する論者で$x=0$における連続性を暗黙の前提にして話をする人が非常に多いのが残念です。

ご挨拶

昨年は論文執筆のために、ブログ記事の更新が滞ってしまいました。本年はブログのほうにも時間を割きたいと思っています。ワクチン情報から明らかなように嘘が蔓延している世の中ですが、少しでも真実が広まるといいですね。本年が0除算がブレークする年になることを願っています。

3個の合同な円を含む新潟の算額題

三浦教忠編の『所懸于三浦氏道場学板算題二百条』にある次の問題を考えます(下左図)。これは新潟の算額の問題としても提出されました。

問題. 正方形$ACDE$の辺$DE$上の点を$B$とし、三角形BCDの内接円の半径をrとする。二つの半径rの円が互いに接し、一方は三角形ABEの2辺BEEAに接し、他方は2辺EAABに接すれば、三角形ABCの内接円の半径は2rであることを示せ。

問題の図において、BからACに下ろした垂線の足をHとし、三角形BCDの内接円の代わりに三角形BCHの内接円を、三角形BAE内の2円の代わりに三角形BAH内の2円を考えます(上右図)。

さらに、$xy$-平面において、2、3、4象限から二つの軸に接する半径$r$の円を、それぞれ、$\alpha$, $\beta$, $\gamma$とします(下図)。$y$軸上の任意の点$B$から$\alpha$と$\gamma$に引いた接線で$y$軸と異なるものをそれぞれ$a$と$c$とします。ただし、$B$が$\alpha$と$y$軸との接点のときは$a$は$y$軸と一致するものとします。$c$についても同様です。問題は次の定理のように一般化されます([1])。

定理.\alphaの接線$a$に\alphaと同じ側から接し、円\gammaの接線$c$に\gammaと同じ側から接し、$\beta$と\gammaの残りの共通外接線にも接する円を\deltaとする。\deltaの半径は$2r$である。

Bの座標を(0,t)とするとき、円\deltaの中心の座標は(\frac{-2r^{2}}{t},0)となります。点Bが原点のときの図を考えましょう(下図)。

t=0なら、\frac{-2r^{2}}{t}=0となり、円\deltaの中心は原点と一致します。さらに、円\alphaの接線$a$と、円\gammaの接線$c$は$x$軸と重なります。すなわち、\deltaと$a$, $c$は直交します。\tan 90^{\circ}=0なので、直交する図形は接すると解釈できることを以前に述べました。

hoinori.hatenablog.com

よって、この場合にも\deltaは$a$と$c$に接することになり、定理は成立します。 $B$が$y$軸上を動くときの様子をアニメーション表示するファイルを作成しました。参考文献[2]のリンクからダウンロードできます。

参考文献

[1] Y. Kanai, H. Okumura, A three tangent congruent circle problem, Sangaku Journal of Mathemarics, 1 (2017) 16--20.
https://www.researchgate.net/publication/314216449_A_three_tangent_congruent_circle_problem

[2] https://www.researchgate.net/publication/314216453_ttccp_animation

テレポーテーション

論文作成に専念しているので、ブログのほうまで手が回らない状態です。

以前にテレポーテーションする際に、加速度が0なので、巨大なGで移動する生物が死ぬことはないという記事を書きました。

hoinori.hatenablog.com

今回はこの場合の速度を考えます。とは言っても、移動した距離を要した時間で割るだけですので、 要した時間は0なので、1/0=0 より、速度は0となります。

以前の記事で、和算に頻繁に現れる図型について簡単に解説しました。 hoinori.hatenablog.com

この記事ではわかりやすい場合についてのみ記述したのですが、今回すべての可能ば場合を検討した論文が出ましたので、お知らせします。 非常に簡単な内容なので、読みやすいと思います。 https://www.researchgate.net/publication/365098024_AN_ICONIC_CONFIGURATION_OF_WASAN_GEOMETRY_WITH_10_0

激動の時代ですが、大手メディアにおいてワクチンのデメリットに関する記述が現れ始めました。歴史的な転換点かもしれませんね。

円鎖再論

以前に述べた以下の記事のバリエーションを考えます。 hoinori.hatenablog.com $C$を線分$AB$上の点とし、$|AC|=2b$, $|AB|=2a$. $c=a+b$とします。直径が$AC$, $BC$ である2つの半円を$AB$の同じ側に作り、それぞれを $\alpha$, $\beta$ とします。これらに接し、直線$AB$に接する円を$\gamma_1$とします。下図では$\gamma_1$と$AB$が接する部分が描画範囲の外にあり、描かれていません。 次に、$\alpha$, $\beta$, $\gamma_1$に接する円を$\gamma_2$とし、以下同様にして図のような円$\gamma_3$, $\gamma_4$, $\cdots$を 定義します。すると、$\gamma_i$, $\gamma_{i+1}$にこれらの接点で接し、$AB$に$C$で接する円が存在します。これを$\delta_i$とします。この円の存在は$C$を中心とする円に関する反転写像を考えるとわかります。ここで、$\delta_i$の半径を$d_i$としますと、次の定理が成り立ちます[1]。

定理. 負でない整数$n$に関して、次の関係が成り立つ。 $$ d_n=\frac{ab}{cn}.\tag{1} $$

ここで$n=0$の場合を考えます。この場合に直線の円としての半径は0なので$d_0=0$です。これについては、以下の記事で述べました。 hoinori.hatenablog.com 一方、[1]の右辺は$1/0=0$より、以下となります。すなわち、$n=0$のときにも (1) が成り立ちます。 $$ \frac{ab}{c \cdot 0}=\frac{ab}{0}=0 $$

ここからは、$\gamma_0$はどのような図形なのかを考えます。先ずは、直交する図形は接する図形と考えることができることを思い起こしてください。これについては次の記事で述べました。

hoinori.hatenablog.com

ですから、$AB$は、$\alpha$, $\beta$に接すると考えることができます。一方、$AB$は$\gamma_1$にも接します。それゆえ、$\gamma_0$は$AB$であると考えることができます(下図)。

参考文献

[1] H. Okumura, A note on circles touching two circles in a Pappus chain: Part 2, Sangaku J. Math., (2022) 23-25.