数学において,記号∞を使う際の問題点を述べます。次の2式を考えます。
$$ \lim_{x\rightarrow a}f(x)=7\tag{1} $$
$$ \lim_{x\rightarrow a}f(x)=\infty\tag{2} $$ (1)の右辺の7は数です。しかし,(2)の右辺の$\infty$は数ではありません。ですから,(2)の表現は数学的に大変おかしいです。数が位置するべき所に数でないものがあるからです。
一般に $\lim_{x\rightarrow a}f(x)$ は数や式を表現しています。一方 $\infty$ は上限が存在しない等のある状態を表現しています。ですから,(2) の表現は,異なる属性の2つのものが等号で結ばれるという変なものになっています。
このような表現が $\frac{1}{0}=\infty$ のようなおかしな表現を生む原因になっているのではないでしょうか。
(2)式は左辺の値が存在しないことを表現しているので,存在しないことを明示的に表すものに変更すべきです。