hoinori

0で割ることは0を掛けることであることを述べています。

2つの相似な二等辺三角形

線分 $AB$ 上の点 $C$ に対し,線分 $AC$ と $BC$ を底辺とする相似な二等辺三角形 
DAC
と $EBC$ を考えます。ただし,2点 $D$ と $E$ は $AB$ の同じ側にあるものとします。ここで,$|AC|=2b$, $|BC|=2a$ とします。 このとき, $F=AE \cap CD$, $G=BD \cap CE$ とすると,$FG$ は $AB$ に平行で,長さは二等辺三角形の形に依らず一定で, $$|FG|=\dfrac{2ab}{a+b}$$ となります。

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通常は,二等辺三角形の等辺が平行になったり,頂点が底辺上にきて三角形が線分に退化する場合は考えませんが,ここでは考えます(ここからが本番です)。

点 $C$ が原点で $B$ の座標が $(2a,0)$ となる座標系で考えます。ただし, $D$, $E$ の $y$ 座標は正とします。$\angle ECB=\theta$ とすると,直線 $CE$,$BD$ は次の方程式で表すことができます。 $$ y=x\tan\theta, \ \ y=-\frac{b\tan\theta}{2a+b}(x-2a). $$ これを解いて,点 $G$ の座標,$(\frac{ab}{a+b},\frac{ab}{a+b}\tan\theta)$ を得ます。同様に,$F$ の座標は $(\frac{-ab}{a+b},\frac{ab}{a+b}\tan\theta)$ となり,先に述べたことが証明されます。

等辺が平行なときは,$\theta=\frac{\pi}{2}$ で,頂点が底辺上にあるときは $\theta=0$ なので,これらの場合には,$F$, $G$ の座標は $$\left(-\frac{ab}{a+b},0\right),\ \ \left(\frac{ab}{a+b},0\right)$$ となります(ここで,$\tan\frac{\pi}{2}=0$ を使用していることに注意)。よって,これらの場合には $FG$ は $AB$ 上ということになります(下図)。

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等辺が平行な場合

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頂点が底辺上の場合