hoinori

0で割ることは0を掛けることであることを述べています。

「円の半径を0にすると一点になる」は誤り

直線を円と考えるとき,半径は0であることを以前に述べました。

hoinori.hatenablog.com

今回は,一点 $O$ とそれを通る直線を固定して考えます。$O$ でこの直線に接する円を考え,その半径を0に近づけます。半径が0のときにはどうなるでしょうか。今までの数学の考え方では,解答は「接点 $O$ になる」でした。実際はどうなるのかを見てみましょう。

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直角座標の原点を $O$ として,$y$ 軸に $O$ で接する半径 $a$ の円を考えます(上図)。この円は次の方程式で表されます。 $$ (x-a)^{2}+y^{2}=a^{2}.\tag{1} $$ この式を変形して,以下の2式を得ます。 $$ x^{2}+y^{2}-2ax=0\tag{2} $$ $$ \frac{x^{2}+y^{2}}{a}-2x=0.\tag{3} $$ (2)で $a=0$として,$x^{2}+y^{2}=0$ を得ます。これは原点を表します。(3)で $a=0$ とすると,分母が0の分数値は0なので, $2x=0$ から $x=0$ を得ます。これは $y$ 軸を表します。ということで,(1)で $a=0$ とすると,原点と $y$ 軸が出てきました。原点は $y$ 軸の一部なので,両者をまとめて $y$ 軸が出てくると述べても良さそうです。しかし,点になる場合も捨てがたいものがありますね。

以上より,結論は 円の半径が$0$になると点または直線になる と述べることができそうです(2022年1月2日追記)。