hoinori

0で割ることは0を掛けることであることを述べています。

0除算

正接の加法定理

0除算導入により、$\tan90^{\circ}=0$ を得ました。その場合に、正接の加法定理の式 $$ \tan(\theta_1+\theta_2)=\frac{\tan\theta_1+\tan\theta_2}{1-\tan\theta_1\tan\theta_2}\tag{1} $$ について考えます。例えば,$\theta_1=90^{\circ}$, $\theta_2=60^…

Wikipediaにおける0除算解説

Wikipedia には結構お世話になっています。しかし,ポリティクスな観点からみると,かなり偏っているという印象を持つ記事もありますね。それはさておき,ここにも0除算解説があります。その中身はざっくりと言えば,現在の数学の作法の一部に沿わないから0…

正0角形(まとめ)

正0角形を5回にわたり考察した結果をまとめます。 正$n$角形の内角を表す式において,$n=0$ とすると,$\pi$ が求まりました。これを正0角形の内角は $\pi$ であると 述べることにします。その他についても同様です。以下を得ました。 正0角形の内角は $\pi$…

正0角形の考察(内接円)

今回は正0角形の内接円の半径を考えます。 正$n$角形の外接円の半径を$a$とするとき,その内接円の半径は次式で表されます。 $$ a\cos\frac{\pi}{n} $$ よって0 除算定義では正0角形の内接円の半径は $$ a\cos\frac{n}{0}=a\cos 0=a $$ となります。次に,同…

正0角形の考察(周長)

今回は周長です。周長と外接円の半径の比を前々回に考えましたが,今回は周長のみを単独で考えます。 正$n$角形の外接円の半径を $a$ とするとき,その周長は次式で表されることを前々回に述べました。 $$ 2an\sin\frac{\pi}{n} $$ ですから,正0角形の周長…

正0角形の考察(面積)

今回は正0角形の面積を求めます。 先ず,外接円の半径が $a$ である正$n$角形の面積を考えます。次式になります。 $$ n\cdot 2\cdot\frac{1}{2}a\sin\frac{\pi}{n}\cdot a\cos\frac{\pi}{n}=\frac{a^{2}n}{2}\sin\frac{2\pi}{n} $$ よって,0除算では面積は0…

正0角形の考察(周と外接円の半径の比)

今回は正$n$角形の周長と外接円の半径の比を考察します。 正$n$角形の外接円の半径を $a$ とすると,周長は次式になります。 $$ 2na\sin\frac{\pi}{n} $$ これより,次式を得ます。 $$ \frac{周長}{外接円の半径}=2n\sin\frac{\pi}{n} $$ $n=0$ のとき,この…

正0角形の考察(内角)

正0角形を0除算(1/0=0)と0除算算法によりに数回にわけて考察してゆきます。今回は内角です。 正$n$角形の内角を $\theta$ とします。正$n$角形を中心と頂点を結ぶ線分で$n$個の二等辺三角形に分割することより $n\theta+2\pi=n\pi$ を得ます。よって,正$n…

三角形に関する恒等式

三角形に関する次の恒等式を考察します。 $$ \frac{a^{2}+b^{2}-c^{2}}{a^{2}-b^{2}+c^{2}} = \frac{\tan B}{\tan C} $$ 恒等式とはいえ,角 $B$ や $C$ が直角の場合は従来の数学では除きます。直角三角形でないときの証明は余弦定理と正弦定理によりできま…

0除算算法 (Division by Zero Calculus)

0 除算では,分母が0の分数の値は0と決めるのが妥当であることを,何回か述べてきました。しかし,分母が0の分数の関数値を考えるときには,0除算算法が必要になります。これも齋藤三郎氏の考案になります。次のよく知られた次の関数を例に考えます。 $$ f(x…

クテシビオス

今回の例と図は0除算理論の創始者である齋藤氏によるのものです。 内容は,古代ギリシャの発明家で数学者でもあったアレクサンドリアのクテシビオスの考察です。管の中を流れる液体を考えます。ある断面についてその断面積を $S$, 液体の速度を $v$ とすると…

接することと直交すること

直交座標形で中心が $(0,a)$で半径 $a$ の円 $\alpha$ を考えます。$\alpha$ と $x$ 軸に半径 $r$ の円が第一象限で接しているとします(左図)。$r=0$ のとき,この円はどうなるのでしょうか。 この円は次式で表されます。 $$ (x-2\sqrt{ar})^{2}+(y-r)^{2}=r…

直線の半径は0

直線の半径は無限大という表現がありますが,無限大を数のように扱うことは誤りであることを以前に述べました。 hoinori.hatenablog.com 直線の半径は0になることが以下のようにわかります。まず,円や直線は直交座標形において,次式で表せます。 $$ e(x^{2…

Youtube の0除算不可能動画

www.youtube.com この動画の良いところは,以下のこの動画のタイトルにあります。 【数学】0で割れると成り立つ不思議な世界 実際に0除算を導入すると,まだ述べてはいませんが,現在の数学にない不思議な世界が見えてきます。しかし,残念ながら,この動画…

仁平氏の例

1/0=0という0除算の導入ができたので,今後は0除算導入によりどんなメリットがあるのかも述べて行きたいと思います。初回は仁平政一氏の次の定理です。 定理. 三角形$ABC$の辺$BC$の中点を$D$とすれば,次式が成り立つ。 \begin{equation} \tan\angle ADB=\f…

逆数の定義の更新

従来の逆数の定義は $ab=1$ を満たす2つの数 $a$, $b$ を互いに逆数と呼ぶというものでした。しかし,これでは,$0$の逆数が存在しません。そこで逆数の定義を改め,次式を満たす2数を逆数と呼ぶことします。 $$ a=\dfrac{1}{b} $$ こうすると,従来の逆数は…

0除算の書籍

0除算のまとまった書籍が最近出版されました。数学の歴史上始めての事件といえそうです。著者は群馬大学名誉教授の齋藤三郎氏です。ここで述べている0除算(任意の数 $a$ に対して $\dfrac{a}{0}=0$)は齋藤氏がご自身の専門である再生核の理論を考察する中…

9割る0は0と教えている小学校

2009年頃ですが,「9割る0は0」と教えている小学校の話が話題になりました。取り上げたサイトを一部挙げます。 www.zaikei.co.jp togetter.com www.rbbtoday.com すでに述べたように,自然な形で0除算を導入するなら,次の選択肢しかありません。 任意の数$…

0で割ったら無限大?

数学は厳密な学問ですが,なぜか0除算に関してはぐたぐたですね。 0除算不可能説の誤りを 0除算不可能説の解説1-5 で述べました。この他にも0除算に関して,おかしなことがあります。よくあるのは,0で割ったら無限大 です。これを言う人には,0で割ったとき…

0除算の導入 (全単射)

次を満たす実数の集合上の写像 $\psi:\mathbb{R}\rightarrow\mathbb{R}$ を考えます。 \begin{eqnarray} \psi(a) &=& \frac{1}{a}\ \ (a&\ne&0), \newline \psi(a) &=& a\ \ \ (a&=&0). \end{eqnarray} すなわち,$\psi(0)=0$ です。この $\psi$ は全単射ま…

0除算の導入 (奇関数)

前回では,通分約分を仮定せずに0除算を考えれば,その演算結果は常に0となることを述べました。同様のことをいろんな視点から導くことができます。最も簡単なものは,奇関数 $f(x)=\dfrac{a}{x}$ を用いるものです。奇関数とは,$f(-x)=-f(x)$ を満たす関数…

0除算の導入 (一意性定理)

通分約分を仮定する限り0除算はできないことを述べました。それでは通分約分を仮定しないとき,0除算はどうなるのか。答えは次の定理です。 高橋の一意性定理([1]). 実数の集合$\mathbb{R}$, $a,b,c,d\in\mathbb{R}$に対して,次を満たす写像 $f: \mathbb{R}…

通分約分

0除算と通分約分は相性が悪いことを述べてきました。今回は通分約分を別の角度から考えます。 通分約分ができることと次式が成り立つことは同値です。 \begin{equation}\tag{1} \frac{a}{b}+\frac{c}{d}=\frac{ad+bc}{bd} \end{equation} なぜなら,通分約分…

0除算不可能説の誤り5

今回は 0除算不可能説の解説1 で述べた以下の部分について解説します。 何やらうまく説明できる図形の話ばかり持ち出している点にある。 これは研究発表会で,0除算を導入した際のメリットを述べたことに対する反応です。前回では,既存の数学にない新しい…

0除算不可能説の誤り4

新しい概念の導入する際には,それが既存の数学の世界の習わしには従わないので,トラブルはつきものです。例えば虚数導入時には,次式のようなものを持ち出して虚数導入を否定した人がいたのではないでしょうか。 $$-1 = \sqrt{-1} \sqrt{-1} = \sqrt{(-1)^…

0除算不可能説の誤り3

前回では0除算と通分は両立しないという結論を得ました。0除算を仮定するなら,通分に不都合が起き(分母が0の場合は通分できません。その他の場合は今まで通り),通分が成り立つなら,0除算は不可能ということになります。このように,数学に新しい概念…

0除算不可能説の誤り2

2021-04-03 07:47:04 今回は以下の部分を考えてみます。 もし普通の分数のように通分できるのなら1/2=1/2+1/0=2/0=0となってたちまち具合が悪くなる。他に四則をどんな風に定義し直してみても必ず矛盾を生じる。だから1/0=0ではだめなのである。 背理法によ…

0除算不可能説の誤り1

ちまたには0除算不可能説が溢れていますが,殆どが間違いです。どこが間違いなのかを解説してゆきたいと思います。ここでは以下をサンプルとして考察します。 https://mobile.twitter.com/q_n_adachi/status/1043031713666949122 何やらうまく説明できる図…